コラム
2026年8月18日

最低賃金引き上げと年収の壁!正社員も要注意な給与計算と税務の落とし穴

こんにちは!グロースリンク税理士法人です。

毎年秋になると話題になる「最低賃金の引き上げ」
時給アップのニュースを見るたびに、店舗や事業所を経営する皆様からはこんなお悩みが寄せられます。

「パートさんが扶養枠を超えないようにシフトを減らしてしまい、人手が足りない…」
「正社員には月給20万円以上払っているから、最低賃金の引き上げはうちの税務や給与計算には関係ないよね?」

実はここ、多くの経営者様や給与計算のご担当者様が陥りやすい大きな勘違いです。

最低賃金の引き上げは、単なるアルバイトの時給改定にとどまりません。
どの手当を給与から除外して計算するかという給与体系の設計や、年末調整・所得税に関わる「年収の壁」と深く結びついています。

今回は、正社員の給与計算で注意すべき税務の視点と、パートさんの働き控えを防ぐ税制・手当の仕組みを分かりやすく解説します!

正社員も要注意!「月給20万円」でも最低賃金違反になる計算の罠

最低賃金=パートやアルバイトの時給と考えがちですが、月給制で働く正社員も必ずチェックが必要です。

経営者様から「正社員には月給20万円(またはそれ以上)払っているから絶対大丈夫」とお聞きすることがありますが、給与明細の総支給額をそのまま使って計算してはいけない法律上のルールがあります。

給与から「差し引いて計算する手当」がある

最低賃金の基準を満たしているか確認する際、会社が支給している手当を仕分けする必要があります。
特に間違いやすいのが、非課税枠などの税務設定でも関わる通勤手当や各種手当です。

【計算に入れてはいけないお金(除外する手当)】
・通勤手当(交通費)
・家族手当(配偶者手当や子ども手当)
・精皆勤手当
・時間外手当(残業手当・休日手当・深夜手当)
・賞与(ボーナス)

【計算に入れてよいお金】
・基本給
・職務手当・役職手当
・資格手当 など

つまり、総額で20万円を支払っていても、通勤手当や家族手当、残業代などを差し引いた「純粋な基本部分」だけで基準を満たしているか計算しなければなりません。

所定労働時間が長い会社は「時給換算」で下回るリスクも

総支給額だけを見ると十分な額に見えても、手当を除外して時給換算すると、近年の最低賃金引き上げペースに追いつかず、基準を下回ってしまうケースが多発しています。
数年前に設定した基本給のまま据え置いている正社員がいる場合は、至急給料体系の見直しが必要です。

なぜ秋にシフトが組めない?「税金の壁」と「手当の工夫」

最低賃金が引き上げられると、パート従業員が税金や扶養の枠を超えたくないとシフトを縮小し、現場の人手不足が深刻化します。

ここで経営者様が知っておくべきなのが、いわゆる「年収の壁」に対する税務上の取扱いと手当の工夫です。

「税金の壁」と手取りの減少

所得税に関わる税金の壁は、一定の収入を超えると税金が発生するラインです。
税金自体は超えた分の金額に対して段階的にかかるため、税金だけで手取りが逆転して大幅に減るわけではありません。

しかし、配偶者控除の適用枠や、企業の独自手当(家族手当など)の支給基準から外れてしまうことを懸念して、パートさんが働き控えを起こしてしまいます。

まとめ

最低賃金の引き上げは、単に時給を数拾円上げるだけの作業ではありません。

・正社員の基本給や各種手当(通勤手当・役職手当など)の仕分けが、現行の法律基準をクリアしているか?
・パートさんの手取りを守りながら、会社の人件費・税金負担を最適化する給料設計になっているか?
・年末調整や給与計算システムの設定が、最新の税制に適合しているか?

このように、経営者様が判断しなければならない税務・人件費上のポイントは数多く存在します。

シフト管理や人件費に悩まない強い会社づくりを、
私たちが全力でサポートいたします!