2026年6月23日

変わる税務調査

こんにちは!

グロースリンク税理士法人岡崎オフィスです。
企業の経営において、切っても切り離せないのが「税務調査」です。
実は、2026年(令和8年)9月、日本の税務行政における約25年ぶりの「大革命」が予定
されているのをご存知でしょうか。

国税庁の基幹システムである「KSK(国税総合管理)システム」が、
次世代型の「KSK2」へと全面刷新されます。

インボイス制度や電子帳簿保存法によってビジネスのデジタル化が進む中、
国税庁の「網の目」もこれまでにないほど細かく、
かつ強力になります。今回は、KSK2の導入によって税務調査がどう変わるのか、
そして企業が今から備えるべきポイントを解説します。

1. そもそも「KSKシステム」とは?

KSKシステムとは、全国の税務署や国税局をネットワークで結び、
納税者の申告内容や過去のデータを一元管理している
「国税庁の頭脳」です。

これが2026年秋に「KSK2」へと進化することで、これまでの
「紙ベースの確認」や「調査官の経験と勘」に頼っていた税務調査のあり方が、
「100%デジタル・AI主導」へと激変します。

2. KSK2で変わる、税務調査の3大インパクト

具体的に、企業の税務リスクに関わる大きな変化は以下の3つです。

① 「縦割りの壁」が消え、すべてのデータが繋がる

これまでは、法人税、消費税、所得税、相続税などのデータは個別に管理されていました。
しかしKSK2では、これらが1つの巨大なデータベースに統合されます。
これにより、「会社は赤字なのに、社長個人の資産が急に増えている」「法人の売上と、
消費税の申告のつじつまが合わない」といった、別々の税金をまたいだ「矛盾」が
システム上で瞬時に炙り出されるようになります。

② 「紙の申告書」もAIで丸裸に

「うちはまだ紙でやり取りしているから大丈夫」という考えは、もう通用しません。
KSK2では、紙で提出された書類も高性能なAI-OCR(文字認識)ですべてスキャンされ、
データ化されます。テキストデータとしてAIの分析対象になるため、
「紙だから目立たない」という盲点は完全に消滅します。

③ AIによる「超高精度な狙い撃ち」

インボイスや電子取引データなど、日々蓄積されているデジタルデータと、
過去の脱税・申告漏れのパターンをAIが照合します。
「この企業のこの勘定科目の動きは怪しい」とシステムが判断した企業が自動で
スクリーニングされ、ピンポイントで狙い撃ちされる「打率の高い税務調査」が始まります。

3. 調査官の「モバイル化」で現場のスピードもアップ

実務上の変化として、税務調査官がタブレットやノートPCを企業のオフィスに持参し、
その場で国税庁のデータベースに直接アクセスできるようになります。
怪しい点があればその場で過去のデータと照合されるため、調査のスピードと精度が
格段に上がり、企業側の心理的負担や対応コストも増加することが予想されます。

4. 企業が今すぐ取り組むべき「2つの対策」

このデジタル税務時代を乗り切るために、
経営者や経理責任者が今から取り組むべき対策はシンプルです。

税目をまたいだ「セルフチェック」の徹底

決算を迎える際、法人税の数字だけでなく、
「消費税の処理とズレがないか」
「社長個人の役員報酬や貸付金とのバランスはおかしくないか」など、
俯瞰した視点でのチェックが不可欠です。

「いつでも説明できるデータ」の社内整備

AIに目をつけられないためには、正しい会計処理は大前提として、
電子帳簿保存法などのルールに則り、データの「根拠(証拠書類)」を
いつでも即座に出せる体制を整えておくことが、最大の防御になります

「うちの経理体制は大丈夫だろうか」と少しでも不安を感じられた方は、
ぜひ一度、お気軽に当社までご相談ください。